骨粗しょう症とは
骨に含まれるカルシウムの量(骨量)が減少することでその強度が低下、それにより骨折しやすくなる状態のことを骨粗しょう症と言います。その原因は、主に原発性骨粗しょう症と続発性骨粗しょう症の2つあるとされています。
原発性骨粗しょう症の患者のうち、およそ8割は女性と言われています。原因は様々ありますが、閉経が原因で発症する閉経後骨粗しょう症と高齢者(65歳以上)にみられる老人性骨粗しょう症が圧倒的に多く、そのほかの原因としては、乱れた生活習慣(偏食)、無理なダイエット、遺伝的要因といったことが考えられます。また、続発性骨粗しょう症は、関節リウマチや多発性骨髄腫といった骨の病気、甲状腺疾患(甲状腺機能亢進症、副甲状腺機能亢進症)といった特定の病気や薬の副作用(ステロイド薬の長期服用など)が原因で発症すると言われています。
よく見受けられる症状についてですが、骨量が低下する過程において自覚症状が出ることはありません。そのため発症している本人が気づくことは稀なことから、さらに骨量は低下していきます。その後何かにつまずいたはずみによる骨折、あるいは変形や疼痛などの症状によって初めて気づくケースも少なくありません。なお原発性骨粗しょう症の患者様では、転倒した際に手をついて手首を骨折(橈骨遠位端)、肩を骨折(上腕骨近位)、脊椎圧迫骨折、足のつけ根(大腿骨近位部)の骨折が多いです。また脊椎や大腿骨を骨折してしまうと寝たきりの状態になってしまう場合もあるので要注意です。
女性の患者様が多い理由
女性は主に更年期(45~55歳)の年代に閉経を迎え(個人差はあります)ますが、その影響としてエストロゲン(女性ホルモン)が一気に減少するようになります。同ホルモンには、骨の新陳代謝に対して骨吸収のスピードを緩める成分が含まれていますが、閉経によりこれが減少すると骨吸収が加速していきます。すると骨形成は追いつけなくなって、やがて骨は鬆(す)が入ったようなスカスカな状態になり、もろくなります。これが閉経後骨粗しょう症の発症メカニズムです。そのため更年期世代の女性は、一度骨粗しょう症の検査を受けることをお勧めします。
検査について
骨粗しょう症の診断をつけるための検査としては、骨密度検査、レントゲン、血液・尿検査などがあります。当院でも検査が可能ですので、遠慮なくお申し付けください。
診断方法ですが、若い方(20~30代)の骨密度の平均値を100%とした場合、被検者の骨量がどの程度にあるかを調べることで診断がつきます。その基準とは、骨密度が若い方の80%未満であれば要注意(骨減少症)、70%以下であれば骨粗しょう症と診断されます。
治療について
骨粗しょう症は、不摂生な生活習慣を改めることで骨密度の減少をある程度予防できるので「骨の生活習慣病」と言われ、食事・運動療法が有効です。また、骨粗しょう症と診断されたら、併せて薬物療法も行われます。各治療法(食事・運動療法、薬物療法)については以下の通りです。
- 食事療法
- 骨のリモデリング※に欠かせないビタミンD・Kをはじめ、カルシウムやたんぱく質など骨の主成分となる栄養素をどんどん摂取し、バランスのとれた食生活を心がけるのが大切です。
※リモデリング:骨を壊す働きをする破骨細胞が骨を吸収する一方で、骨をつくる働きをする骨芽細胞が、破骨細胞によって吸収された部分に新しい骨をつくる代謝作用
- 運動療法
- 骨は体重の負荷をかけることで丈夫になりますが、強度の高い運動は行わなくても十分です。例えば軽度なジョギングを実践するだけでも効果は現れます。ハードな運動量が重要なのではなく、長く継続することが大事なのです。
- 薬物療法
- 医師から処方されるお薬は、骨の破壊を抑制する薬(ビスフォスフォネート製剤やSERMなど)、骨を作る骨芽細胞を活性化させる薬(副甲状腺ホルモン製剤)、骨の材料を補う薬(カルシウム製剤や活性型ビタミンD3製剤など)などです。
- 診療科目
- 整形外科
- 院長名
- 池田 純
- 住所
- 東京都品川区平塚1-7-7MYビル1階
- アクセス
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都営地下鉄浅草線「戸越駅」
A3出口すぐ
東急池上線「戸越銀座駅」より徒歩2分
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